SEEDS #5

ECONOMY

「GREEN WORK HAKUBA Vol.5」
トークセッション ⽩⾺で進むCEの最前線

2023.09.06

⽩⾺村に初秋の訪れを感じさせる⾬が降り注ぐ中、⽩⾺樅の⽊ホテルのThe Pub にて「GREEN WORK HAKUBA Vol.5」が始まりました。そもそも “GREEN WORK HAKUBA”とは、⽩⾺村の⾃然環境の中で⾮⽇常なワークスタイルを体験しながら「サーキュラーエコノミー(以下CE)」について学び、ともに考えながら実装につなげていくプロジェクトです。2020 年9 ⽉からスタートしたこのプロジェクトは地域に根ざしたプロジェクトとして着実に定着していて、第5弾となる今回は全国の企業や⾃治体から総勢60名以上の参加者が集まりました。国内外のCEの最前線を駆ける実践者のお話を聴いたり、参加者同⼠のつながりを育んだりできる貴重な3⽇間。参加者のみなさんの期待や興奮から⽣まれるあたたかな緊張感に会場は包まれていました。

初⽇最後のプログラムであるトークセッションで、⽩⾺村の丸⼭俊郎村⻑、株式会社SyncMOFの堀彰宏さん、アイフォレスト株式会社の丸⼭孝明さんと共に、イノアック⽩⾺事務所の煙⼭貴紀も登壇いたしました。
まずは昨年に⺠間から村⻑に就任された丸⼭村⻑が、2019年に⽩⾺村が「気候⾮常事態宣⾔」を表明してから、今⽇までの取り組みについてお話されました。2020年に表明した「ゼロカーボンシティ宣⾔」のもと、脱炭素の取り組みを積極的に⾏ってきた⽩⾺村。そんな中で、昨年に東京で開催された「パリ協定とSDGsのシナジー強化に関する国際会議」において、⽩⾺村の⼋⽅尾根スキー場の取り組みを先進地域の事例として発表する機会に恵まれたそうです。そんな⽇本を代表するCE先進地域の⽩⾺村で⾏われている「GREEN WORK HAKUBA」を発端に動き始めたのが、トークセッションで登壇した3社の企業であり、イノアックです。

煙⼭が⽩⾺村に訪れてちょうど1年。この地にイノアックの事務所を開設するに⾄ったのは、断熱改修のワークショップのご依頼をいただいたことが始まりです。白馬高等学校や⽩⾺南⼩学校、⽩⾺インターナショナルスクールの⽣徒の⽅々に断熱の⼤切さについての講義を⾏ったあと、⼀緒に改修作業を実践。断熱の違いを実感していただき、⼦どもたちと⼀緒に驚きや発⾒を分かち合いながらワークショップを進めました。
事務所を開設後、業務の傍らで⽩⾺村に住むみなさんを訪ねて、お困りごとを聞かせていただいた煙⼭。おかげさまで、今では地域の課題から「重いガラスを転がす時に下に置いておくゴムの板ってないかな?」といった⽇常の細かいご相談までいただけるようになりました。そして今、⽩⾺インターナショナルスクールと⽩⾺⾼校の⽣徒のみなさんと⼀緒に、「サーキュラーエコノミービジネスクラブ」というワークショップを毎週開催しています。そのワークショップでは、ユーザーのコンディションに合ったものをご提供し、定期的に洗浄し、次のユーザーにも使っていただけるマットレスのサブスク実装に向けて検討を重ねています。捨てることなく⻑持ちさせるために素材や加⼯段階から開発を考えることで、⽣徒のみなさんと⼀緒にアイデアを出しながらCEに向けた取り組みを進めています。

各社のこれまでの振り返りのあと、トークセッションの後半では、「活動拠点がなぜ⽩⾺なのか?」という質問にそれぞれの企業が答えました。そこでSyncMOFの堀さんが話されたのが「インプットやアウトプットの積極性」というポイントでした。「何か新しい技術をもって世界を変えようとしたときに、インプットとアウトプットのクイックさがとても⼤切で、⽩⾺にはそれがある」と堀さん。丸⼭村⻑も「世界中からお客様が来るため、多様性をもって受け⼊れ態勢を整えていかなければならないことを現場のみなさんが強く実感している。だからこそ、他ではめずらしいスピード感につながっているのかもしれません」とお話されていました。
「活動拠点がなぜ⽩⾺なのか」というテーマに対して、イノアックの煙⼭は「気候変動を共に考えられる地域であるから」と答えました。「⾃治体と⺠間が⼀体となって気候変動にアクションを起こしている⽩⾺だからこそ、イノアックとして何かお⼿伝いできることがあるのではないか。その気持ちが事務所の開設につながり、地域のお困りごとを⼀つでも解決しようとする姿勢に今もつながっている。そして、村のみなさんと⼀緒に新しく挑戦できることがあると思っています」と話しました。

最後の質問では「妄想プロジェクト」というテーマで、制約なしに考えた時に⽩⾺村でこの先どんなことをやりたいか、という投げかけをいただきました。煙⼭の答えは、「⾃然環境や地域住⺠のみなさんへの配慮が⾏き届いたエコラボファクトリー」でした。「ただ同じものを造り続ける⼯場ではなく、新たな地域課題に対して解決できる何かを発⾒したり、造ったり、試したりできる場所。そして、共に未来を考える⼈が集まれる、みんなのラボのようなオープンな⼯場ができれば、⽩⾺はきっとさらにおもしろくなるのではないかなと、“妄想”で考えています」と煙⼭。“GREEN WORK HAKUBA”をきっかけにして始まった⽩⾺村を拠点とするイノアックの活動は、⼿探りの中で⼀歩⼀歩進んできた1年でした。たとえ妄想であっても、未来は思い描くことから始まると信じたい。⽩⾺村に住むみなさまとのつながりを深めながら、これからもイノアックは未来の可能性をこの地から追い求めていきたいと思います。

SEEDS ACTION

イノアックが白馬村で実際に行ったアクションをテーマごとにご紹介。未来のタネをぜひご覧ください。

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